衣服の素材別の特徴とお取り扱いのポイント

麻(植物繊維)
【特徴】
麻は天然繊維の中で最も涼しい繊維といわれ、高温、多湿な夏場に特に最適な素材です。
汗ばんでも肌に密着せず、通気性に優れており、水分の吸収、発散が早いのが特徴です。
また天然繊維の中で最も強く、耐久性に優れており、洗濯で汚れが落ちやすいというのもポイントです。
ただし、しわになりやすいという欠点もありますが、その風合いを楽しむという点でもナチュラルに着こなせる素材です。

綿(植物繊維)
【特徴】
肌着に使われることも多くあるように、柔らかくサラッとしていて肌触りが良いのが特徴です。
水分を吸収・発散しやすいため、さらりとして涼しく特に夏にぴったりの素材です。
適度な強さがあり、洗濯にも強いのもメリットのひとつ。
ただしシワになりやすく、洗濯で縮むこともあるのでお取り扱いには十分に注意してください。

シルク(動物繊維)
【特徴】
人口では作り出せない、独特の美しい光沢があります。
つるつるとした表面で肌触りが良く、生地自体の柔らかさが特徴です。
保温性・保湿性・発散性に優れています。
熱伝導率が低いため、春夏は外気の暑さを伝えにくく、秋冬は寒さが伝わりにくく体温を逃がしません。
産量は他の繊維と比較しても少ないことから、合成はもとより天然繊維の中でも高価な素材に分類されます。

【取り扱いのポイント】
・濡れた状態で摩擦すると毛羽立ちやすいので、水洗いできるものでも強くこすらないでください。
・紫外線に弱く色あせしやすいので、窓辺や蛍光灯の下に置かないでください。
 つり干しで陰干しにするのがおすすめです。
・アイロンをかける場合は、生乾きの内に、ドライアイロンで、当て布を必ず行って下さい。

ウール(動物繊維)
【特徴】
羊毛を織った布の事で、天然の動物繊維の一種です。
羊から採取される繊維で広い意味でアンゴラ、モヘア、カシミヤなども含まれます。
優れた保温・保湿性があり、しわになりにくいのが特徴です。
ただし洗うと縮みやすく、虫の害を受けやすいのが欠点です。
日光にも黄変するので注意が必要。肌の敏感な方はチクチク感を感じやすい素材になります。

【取り扱いのポイント】
・ニット製品は重みにより伸びやすいので、洗濯時バスタオルで水気を吸い風通しの良い所で平干しをしてください。
 収納時にはハンガー吊りを避け、たたんで保管します。
・アイロン掛けはスチームアイロンを使用し、浮かしながら蒸気を軽く当て、形を整える程度にします。
 静電気やチクチク感が気になる場合は、柔軟材を入れて洗濯をしてください。
・ウールの大敵、虫とカビは湿気と汚れを好むため、長期保管をする場合は
 必ずドライクリーニングへ出し、防虫剤と一緒に乾燥剤も入れて保管してください。

アンゴラ(動物繊維)
【特徴】
アンゴラ兎から採取される毛の事で、繊維が極めて軽く、軽いのが特徴です。
手触りが柔らかく、暖かさは羊毛の3倍とも言われる程、温かい素材です。

【取り扱いのポイント】
・基本的に家庭での水洗いは不可です。不安な場合は必ずクリーニングに出すことをおすすめします。
・どうしてもご自宅でされる場合は、洗濯機で回さない、熱を掛けない、短時間で処理するように心がけてください。
・ニット製品は重みにより伸びやすいので、洗濯時バスタオルで水気を吸い風通しの良い所で平干しをしてください。
 収納時にはハンガー吊りを避け、たたんで保管します。

モヘヤ(動物繊維)
【特徴】
モヘアはもともとアンゴラヤギの毛の事です。
絹のような上品な光沢感があり、手ざわりが良く、柔らかいのが特徴です。
断熱性、保湿性にすぐれています。毛が長く、抜けやすい、また静電気が起きやすいのが欠点です。

【取り扱いのポイント】
・基本的に家庭での水洗いは不可です。不安な場合は必ずクリーニングに出すことをおすすめします。
・長毛のため、毛乱れが発生しやすいです。
 毛並みが長いニットの場合は、平干しで下側の毛が寝てしまう場合がありますのでハンガーで干した方が良い衣類もあります。
・着用後はブラッシングして毛並みを揃えるなど、日常の手入れが長く大切に着て頂くためのポイントです。

カシミヤ(動物繊維)
【特徴】
カシミアはカシミアヤギの毛織物の事です。生地が柔らかくてソフトな肌ざわりが特徴です。
繊維も細く、見た目に光沢感があります。
保温性と吸水性がよく汗をかいても素早く吸収して発散してくれ、軽いという点もカシミアの特徴です。

【取り扱いのポイント】
・基本的に家庭での水洗いは不可です。不安な場合は必ずクリーニングに出すことをおすすめします。
・長時間の着用は型崩れの原因となりますので、1日着たら休ませてください。
・着用後は、柔らかいブラシで表面のホコリやゴミを払い、毛並みを揃え、風通しのいいところで陰干しをしてください。
 (長時間吊るすと型崩れの原因になりますので、できるだけ平干しにしてください。)
・食べこぼしや汚れはクリーニングに出し、防虫剤を入れて、風通しの良い場所にたたんで保管してください。
 ハンガーなどに吊るすと型崩れの原因となります。
・毛玉が出来た場合ははさみでカットして取り除く等、こまめなお手入れをしてください。

アクリル(合成繊維)
【特徴】
最もウールに似た性質を持った、柔らかく暖かみのある肌触りの化学繊維です。
薬品や虫に強く、洗濯しても縮んだり型崩れしないので、ウールなどよりも取り扱いがしやすいのが特徴です。
吸湿性が低いので速乾性があります。静電気が起きやすく、熱に弱く、また毛玉になりやすい繊維になるので、取り扱いに注意。
肌の敏感な方は、チクチク感じることもあります。

【取り扱いのポイント】
・ニット製品は重みにより伸びやすいので、洗濯時バスタオルで水気を吸い風通しの良い所で平干しをしてください。
 収納時にはハンガー吊りを避け、たたんで保管します。
・熱に弱いので、アイロンはスチームアイロンを使用し、浮かしながら蒸気を軽く当て、形を整える程度にします。
 静電気やチクチク感が気になる場合は、柔軟材を入れて洗濯をしてください。

レーヨン(再生繊維)
【特徴】
木材パルブから絹の外観に似せて人工的につくった繊維です。
吸湿性が高く絹のような美しい光沢とドレープ性があり、テロンとしたなめらかな肌触りが特徴。
ただし特に水分を含むと収縮しやすく、またしわになりやすいので取り扱いには注意が必要です。

【取り扱いのポイント】
・縮むため、基本的に水洗い不可ですが、水洗いできる物でも、ゴシゴシこすったり、固く絞らないでください。
・しわがついたら、中温アイロン(140度~160度)、またはスチームアイロンをあて、優しくしわを伸ばしてください。

ポリエステル(合成繊維)
【特徴】
ナイロンの次に強く、弾力性があり軽くてシワになりにくい素材です。
ほとんど水を吸わないので洗濯をしても乾くのが早く、その上保型性があるので、とにかくお手入れが簡単です。
独特のシャリっとした感触を持っています。

【取り扱いのポイント】
・洗濯しても形くずれしにくく、乾きやすい。
・水洗いでも縮みにくい。
・薄くデリケートなものは手洗いをおすすめです。

ポリウレタン(合成繊維)
【特徴】
ポリウレタンは伸縮性がきわめて大きく、繊維自体がゴムのように5~8倍も伸びるのが特徴です。
伸びがよく体にフィットするので下着など幅広く使われています。
ただしポリウレタンは、その性質上3~5年程度が耐用年数と言われています。
時と共に劣化し、寿命が比較的短い繊維です。

【取り扱いのポイント】
・アイロンは低温でかけ、スチームは使用しないでください。
・塩素漂白で変色、劣化するのでご注意ください。
・乾燥機は使わずに、陰干しをしてください。

テンセル(精製繊維)
【特徴】
テンセルの材料は木材パルプです。やわらかく、サラッとした肌ざわりと上品な光沢が魅力です。
繊維が柔らかく、ドレープ性があります。吸湿性、速乾性にもすぐれているのが特徴です。
水洗い(手洗い)によって 若干縮むことがあります。濡れると少し硬くなり摩擦により白化しやすいです。

【取り扱いのポイント】
・柔軟仕上げをすると、テンセル特有のやわらかさを保つことが出来ます。
・乾燥機を使うと大きく縮んでしまうことがあるので、注意してください。
・洗う前と変化していた場合は、スチームアイロンで少しずつ引っ張りながら修正します。
 当て布をし、中温(140 ~ 160℃)でアイロンをかけてください。